最近では、様々なハラスメントがどんどん取り締まられていることを、ニュースでよく耳にします。
しかし、大学院生時代に、私の周りに聞いていてもアカハラは蔓延しており、実際に私もアカハラと思われる行為に耐え忍んでやっと卒業することができました(すごく長く大変な道のりでした涙)。
現在、大学院を卒業し、卒業生として「アカハラ」が、なぜ無くならないのか少しわかった気がするのでまとめてみようと思います。
・アカハラに悩んでいる大学生、大学院生
・および保護者等、関係者の方
1.なぜアカハラは起きるのか
2.なぜアカハラは無くならないのか
この2点に注目して意見を書いていく
Contents
1.なぜアカハラは起きるのか
大きく分けて3つ理由は考えられる。
1.教授側がアカハラにより研究に関するメリットを受けられる場合
例えば、「このままじゃ卒業できない、土日も来い、徹夜覚悟で実験を行え」などと、学生を脅し過剰な実験成果を要求することが該当する。
研究室では、研究成果が重要であり、予算や教授のメンツにつながる。
そして、その研究成果を出すためには、基本的には学生が実験を多く行う必要がある。
博士に進んだりするような意欲が高い学生であれば土日にも研究し、夜遅くまで研究している。
しかし、多くの学生がそういうわけではなく、就職を有利にするために進学しているといったような学生も数多く存在していると思われる。
そういった学生に「このままじゃ卒業できない、土日も来い、徹夜覚悟で実験を行え」と脅すことで多く研究成果を出させることができるというメリットが教授にはある。
2.教授がいじめに快楽を覚える異常者である場合
いじめは、「ドーパミン」が出たり、快楽につながる行為であるという説がある。
アカハラによって、生徒の怯える顔や反応を見て、征服欲などを満たし快楽を覚えるタイプの教授であれば、その行為自体が気持ちよくたまらないのだから、やめないだろう。
3.価値観の違いにより無意識に行っている場合
昔は体罰や怒鳴り声などが当たり前で、教授の言うことは絶対という風潮は今よりも強く、アカハラなんて言葉すら存在しなかっただろう。
しかし、人の考え方や、世間の風潮、ハラスメントへの考え方というものはどんどん移り変わっていくものである。
教授がこのことを理解できていない場合、時代錯誤な体罰や怒鳴り声などのアカハラが起こってしまうのではないかと思う。特に、アカデミアというのはかなり特殊な環境であるので、アップデートされていないことは他の集団より起こりやすいのではないかと思われる。
4.ルールがあやふやで教授が好き放題しやすい
社会人の残業時間は月80時間までといった明確なルールが存在しているため、違法なのか合法なのか判断がつきやすいです。
一方で、研究室にはそのようなルールは存在しません。あるのは、研究室の教授が作ったルールだけです。
研究室によってはコアタイムという絶対に研究室に行かなくてはならない時間というものがありますが、それを朝から晩まで、土日にも設定することも可能なのです。
基本的に教授がルールであることが多いため、教授が好き勝手学生を奴隷のように動かすことができます。
2.なぜアカハラは無くならないのか
大きく分けて4つ理由は考えられる。
1.教授による洗脳が成功している
学生はハラスメントを受けて辛い思いをしても、教授からこれはハラスメントじゃなくて当たり前の行いであると洗脳される場合、アカハラは表に出てこない。
実際に研究室というのは少人数で風通しが悪く、卒業や終了ができるかどうかに対して、担当の教授が決める権限をほとんど持っていることが多く、教授に歯向かうと卒業できなくなる可能性がある。そのため、基本的になんでもいうことを聞かないといけないし、それが教授の言うことが当たり前だと思い込んでしまいやすい環境にあることは間違いない。
2.在学生がアカハラとして報告するデメリットが大きすぎる
アカハラを報告して、それが認められないものの知られてしまった場合、教授からより嫌われることになり肩身が狭くなってしまうでしょう。
それでは、うまくいけばいいのかというとそうでもない。
アカハラとして認められた場合、厳重注意でその教授のもとで研究を続けるか、別の研究室に移動するか、この二択があるのかなと思う。
その教授のもとで学ぶ場合、気まずさやアカハラギリギリの嫌がらせをされる可能性は大いに高く、楽しく学生生活を送ることは難しいと思われる。
別の研究室に移動する場合、別の研究をすることになるので1から結果を出す必要があり、卒業までにやらないといけないことがありセットされてしまう。
3.卒業生がアカハラとして報告するメリットがなく、デメリットしかない
卒業して関係がないので、研究室の環境が良くなろうが、メリットを受けられるわけではない。
デメリットとしては、いろいろ考えられる。
アカハラで報告した教授に嫌がらせをされる可能性がある。就職先を知られており、特に研究室推薦で行っている場合は教授は企業と繋がっているため、根も葉もない悪い噂を流されたり、就職後の生活に悪影響を与えられる可能性がある。
研究室に新卒の採用活動を協力してもらったり、共同研究があったり、お世話になる可能性は少なからず存在するが、アカハラを報告してしまうと、その恩恵を受けにくくなる恐れがある。
他にも、デメリットはあるだろうが、メリットはない。
4.大学も基本的には教授の見方
基本的に大学の事務は事なかれ主義で何もないように済ませようとする傾向がある。その方が大学のイメージダウンを防げるからだ。
完全な証拠を用意できないと揉み消されたり、問題として取り上げてもらえない可能性も高いだろう。
まとめ
アカハラはこのような理由で、今でもアカデミックに多く存在し続けるのだと思う。