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「大学院の方が 4000万以上生涯年収が高くなる」は本当?
・理系進学を迷っている高校生(大学院進学率の高い)
・および保護者等、関係者の方
私は現在大学院に進学しています。しかし、そこまで研究内容に興味をもっていたわけではなく、
・クラスの9割が進学すること
・大学院に行った方が給料を稼げる
という話を聞き進学を決めました。
・給料なし(むしろ払う)
・教授のアカハラもあり(閉鎖的な環境によるもの?)
・教授の雑用の手伝い
・過剰な労働時間(もちろん残業代は出ないし、大学院生は法に守られていないので、36協定もない)
・有給もない(夏休みすらも明確には認められなかったりする)
といった研究が好きではない私にとっては散々なものです。
そして、就活で日本生命のブースに行って話を聞いた際に、衝撃の事実が告げられます。
「院卒と学部卒の給料は同じです」
給与(初任給月額)
大卒以上211,000円(基準内賃金のみ 諸手当除く)
(2021年4月実績)
この場合むしろ2年働かなかった分、生涯年収は学部卒の方が高くなるのではないか?と思いプチ鬱になりました。
そこで「大学院の方が4000万以上生涯年収が高くなる」
は国が大学院に多く人を送り込んで、無賃で知的労働力を確保するために、無理やり都合のいい解釈で作り出されたデータなのではないかと疑いはじめた。
1大学院進学率は高偏差値大学の方が高く、大学として偏差値の差が大きい
2理系企業以外では、修士と学部の年収が同じところも多い。
3理系が多く就職するメーカ―よりもいわゆる文系企業の方が年収は高いところは多い。
のではないかと考えました。
調査
1大学院進学率は高偏差値大学の方が高く、大学として偏差値の差が大きい
まず大学ごとの大学院進学率の違いについて、
https://univ-online.com/rank1/y2021/enrollment_rate/r1910025/
次に大学ごとの給料差について
https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_99
この二つのデータを見ても、必ずしも大学院進学率の高い学校が、年収ランキングに影響を及ぼしているわけではなく、多少の相関はありそうだが、なんとも言えなそうである。明確に1の主張をいうことはできなそうだ。
2理系企業以外では、修士と学部の年収が同じところも多い。
東京海上日動
5.給与 4年制大学卒/月給22万8,670円
大学院修士課程卒/月給24万7,140円
同じ保険業界の中でも、メーカーと同じように修士と学士差がついており、修士が優遇される企業の数もなかなかに多そうだ。同じところもあるだろうが、それでは大学院にいくほうがいいのかも?という気になってしまう。
3メーカーよりもいわゆる文系企業の方が年収は高いところは多い
銀行や商社など文系企業の方給料が高いところは多い気もするが、企業によってはいわゆる文系企業だとして修士で入る方が稼げそうなので、ここでも2と同じ結論となりそう。
論文で調べる
ここまでのデータではあまりこれといった証拠にはならなそうだし、むしろ修士を後押しするものである。
いろんなん企業のデータをしらみつぶしに、詳しく調べることも、それをするだけの時間もない、、、
どうすればいいんだ、、、、
ということで調べてみると、「大学院と大学の給料」について調べられた論文があったので紹介したいと思います。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/bun/bun199/bun199c.pdf
この論文では、
理系か文系の違い(違和感2、3に該当)、中学時代の頭の良さ(≒偏差値の影響)(違和感1に相当)も考慮して、
「大学院と大学の給料」について調査している。
大学院に進学したか学部で就職したかということ
が大きな影響を与えていることがわかる。
この修士卒が年収が高いというデータは、修士アンチの僕から見てもそうなのかもしれません、、、
しかし、研究がそこまで好きではない場合、
自分の志望する企業によっては、
大学院進学が時にメリットにならない(学部と比較して2年ロス、授業料の金銭的ロス、うつ病になるデメリットなどの方が強いように感じる)
こともあるので、
大学院に進むとしても、どういう企業に入りたいのか、先に決めてしまった方が後悔のない選択肢が選べるようになるかもしれませんね!
次回予告
・体育会が就活で優遇される?
・学部ごとの収入格差、本当に経済学部は稼げて、文学部は稼げない?